ゾーンシステム研究会 第24回写真展 終了しました ご来場ありがとうございました。



 

   大型カメラの時代に向けて

 今年、2020年は大変な年になった。ウイルス感染が広がり不安な気持ちが高まるなか4月19日の日本経済新聞紙面にアメリカの写真家 アンセル・アダムスの写真と人物紹介が見開きページに載った。彼の荘厳で精緻な作品は、長年に亘ってアダムスの写真哲学と技術を学んできた私たちにとり、冷静な気持ちを取り戻すためのかけがえのないメッセージであった。
 
 私たちは、山や湖の景観や四季の変化に強く引き付けられ、カメラを向ける。また美術館の絵画や都市空間のデザインからの感動が創造の発芽がとなるときもある。点在する曲線や曲面の偶然の重なり、素材の持つテクスチャーなどと大型カメラの微粒子で滑らかな表層が相まって、それは私たちの強い記憶と記録として定着される。
 蛇腹のついた大型カメラの基本形は、写真黎明期の暗箱と変わらない。レンズを通して逆さまに映るピントグラスの映像は実景とは違う美しさで私たちを魅了する。旧タイプのレンズから最新のレンズまで、メーカーに関係なく使うことが出来るうえ、カメラの可動部は画像の歪みを打ち消し、被写体の美しさを画面上にそのまま保持してくれる優れた機能を有している。
 また写真制作においては、カメラ・レンズの機械光学的工程と、フィルム・印画紙処理の化学的工程がともなうが、創作のどの工程においても手に触れ目で確認できることが大事なことだと思っている。1枚ずつじっくりと撮影する大型カメラの利点を生かし、それぞれの工程で画像を的確に制御する方法が分かれば、被写体から最終的な写真プリントへのプロセスはより創造的なものとなる。

 写真画像の情報化が益々強まる現在、大型カメラによる写真制作は、私たちが忘れかけていた写真本来の豊かさを取り戻すきっかけになる、と思っている。


                      ゾーンシステム研究会代表 中島秀雄

ゾーンシステム研究会 会報70号



Contents
・ 「ネガを巡って 」
 ・・・ゾーンシステム研究会第 23 回写真展の 中島代表挨拶文
・ ゾーンシステム研究会第 23 回写真展作品 (2 )
・ ゾーンシステム研究会第 23 回写真展スナップ
・ 松本ひさ子んの逝去を悼む
・ 日本経済新聞にアメリカの写真家ンセル・ダムスが掲載された
・ ファインプリトのためデジタルネガ (2)
・ イン フォメーショイン フォメーショイン フォメーショ



レンタル暗室の紹介
旧会員の石引さんが、茨城県竜ケ崎市にレンタル暗室「銀塩写真工房アルジャン」をつくりました。
詳細は直接お問い合わせください。 (研究会会員はメンバー専用ページをご覧ください)

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